日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(にほんかくめいてききょうさんしゅぎしゃどうめいかくめいてきマルクスしゅぎは)とは、日本の新左翼(革共同系)の過激派である。通称革マル派。中核派との内ゲバ殺人や盗聴などの反社会的な非合法活動で知られており、警察は白書を始め各種文書中で「極左暴力集団」と呼称している。
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構成員:5300人
指導者:黒田寛一(死亡)、植田琢磨(現議長)、倉川篤(=松崎明・旧国鉄動力車労働組合委員長。元JR東労組会長)、森茂、土門肇、朝倉文夫ら
機関紙誌:週刊『解放』、隔月刊『新世紀』(旧『共産主義者』)
学生組織:日本マルクス主義学生同盟・革命的マルクス主義派(通称マル学同革マル派)
公然拠点:解放社
新左翼のなかで最大の5300人の構成員を有する。機関紙週刊『解放』・隔月刊『新世紀』がある。東京・早稲田にビルを構える「解放社」本社および全国6道府県に設置されている同社の支社等が表向きの活動拠点となっている(このほかに、暴力・盗聴などの犯罪行為を伴う、非合法な“裏の活動”を行うための非公然アジトが各地に存在する)。思想的にはマルクス・レーニン・トロツキーらの革命理論を基に、帝国主義の打倒と反スターリン主義を掲げ、「プロレタリア世界革命」とその一環としての日本における共産主義革命を目指しており、機関紙などでは「ブルジョア国家の転覆を目指す革命党」であると主張している。 中核派があらゆる反体制運動と連帯し、理屈を抜きに街頭で機動隊と衝突するなど、テロ・ゲリラ等の直接行動を重視するのに対し、革マル派は階級闘争至上主義であり、思想・理論の学習と組織の構築を目指し、それらの維持・拡大に向けた活動を重視している。そのため1960年代の街頭闘争や全共闘運動などからは距離を置き、成田空港建設反対闘争からも排除され、他の新左翼系過激派集団の多くと敵対関係にある。特に1970年代以降は、中核派等との内ゲバ(過激派同士で対立するグループのメンバーを襲撃して殺傷する行為)事件を繰り返し、双方に多数の死傷者を出してきた。しかし近年は、少なくとも表面上は暴力性・党派性を隠し、あくまでも組織拡大に重点を置き、基幹産業の労働組合や学生運動への浸透を図る戦術を採っている。最近は、街頭での集会・デモなどの際にも、「革マル派」というセクト名は隠して活動していることも多い。しかし、関係団体は中核派が絡んでいる団体に対してはあからさまな敵意を主張する場合が多く直ぐにばれるケースが多い。また、革マル派は、自派に対する他派からの襲撃事件や、警察庁長官狙撃事件・O-157集団食中毒事件・神戸連続児童殺傷事件・和歌山毒物カレー事件・イラク日本人外交官射殺事件・スペイン列車爆破事件・イラク日本人人質事件・ロンドン同時爆破事件などの社会的反響が大きい事件について、国家権力や米国のCIAなどによる陰謀であるとする主張を繰り広げている。また、中核派や解放派のゲリラ行為はこれらを利用した政府の自作自演であるという主張も見られる。革マル派が何を根拠にこのような陰謀論を展開しているのかは不明であるが、背景には他新左翼セクトとの激しい党派闘争の歴史があるとみられる。警察側はこれらの陰謀論について、反権力意識の高揚や組織の引き締めなどが目的であるとの見方を示し、「権力謀略論」と呼んで警戒している。なお、自派の非公然活動家が逮捕されたり、革マル派によって事実上支配されていた学生自治会が大学側によって非公認化されたりした場合なども、同じような「権力謀略論」を用いて警察・大学などを非難することが多い。警察は現在、数名の活動家を建造物侵入・窃盗・電話盗聴などの被疑者として指名手配している。また、解放社本社付近には交番・消防署出張所が設置され、警察・消防ともに警戒にあたっている。これに対して革マル派も、解放社本社前に監視カメラを設置するなどして対抗している。
歴史
結成の経緯
1962年9月、革命的共産主義者同盟全国委員会が第三回革共同全国委総会(三全総)を開催した。三全総では、組織建設の方法や労働運動の戦術を巡って書記長・本多延嘉と議長・黒田寛一が対立した。本多派と黒田派の対立は組織の末端にまで及び、組織は分裂してゆく。 1962年4月、ついに黒田派が革共同全国委員会から出て行く形で分裂し、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下、革マル派)を結成した。残された本多派は、のちに中核派と呼ばれるようになる。一連の分裂は「革共同第三次分裂」と呼ばれる。この分裂では、革共同本体においては、黒田派が少数派で、特に幹部クラスに至っては黒田、松崎明、森茂のみであった。しかし学生組織のマル学同や全学連では、黒田派が圧倒的に強く、本多派の方が組織から出て行く形で「マル学同中核派」を結成した。
年表
1963年2月
革命的共産主義者同盟全国委員会から分裂(革共同第三次分裂)し結成。議長は黒田寛一、副議長は倉川篤。
1970年8月14日
中核派に変装した革マル派活動家30人が法政大学に侵入し、中核派学生十数人を襲撃する。
1972年11月8日
早稲田大学の学生だった川口大三郎を集団でリンチし、殺害。
1975年3月14日
中核派の最高幹部・本多延嘉を殺害(中核派書記長内ゲバ殺人事件)。
1977年2月11日
革命的労働者協会(革労協)の最高幹部・中原一を殺害(革労協書記長内ゲバ殺人事件)。
1985年2月5日
和光大学構内内ゲバ事件が発生。午後2時過ぎごろ、和光大学構内において、革マル派活動家が中核派活動家を襲撃。竹竿・鉄パイプ等の凶器を用いて暴行を加え、8人に傷害を負わせるなどしたため、凶器集合準備・傷害などの罪で逮捕・起訴される。
1986年1月20日
京都大学教養部構内で、中核派の全学連副委員長代行を殺害。
1988年7月1日
京都大学教養部構内内ゲバ事件が発生。6人の中核派活動家が負傷。
1995年10月?12月
JR労組幹部(鉄道友愛会議長)宅に電話盗聴。
1996年2月
JR内部で活動する革マル派の実態を告発した『JRの妖怪』の著者である小林峻一の自宅から取材メモやフロッピーディスクなどを盗み出し、その情報をもとに、取材に応じた関係者に対して脅迫や嫌がらせを行う。これに対し、警察は革マル派非公然アジト「大和アジト」を家宅捜索。
5月14日
神奈川県横浜市青葉区新石川の國學院大學たまプラーザキャンパス付近の路上で午後9時ごろ、内ゲバ事件が発生。革マル派活動家の元早稲田大学社会科学部自治会委員長が死亡。6人が負傷。
8月
国鉄労働組合(国労)本部書記長(当時の企画部長)宅に不法侵入する事件を起こす。
10月
議長・黒田が辞任し、後任議長に植田琢磨が就任。
1997年6月以降
神戸連続児童殺傷事件は冤罪だとする闘争に乗り出す(米国のCIAによる「謀略的権力犯罪」であると主張)。
8月?10月
早稲田大学法学部教授宅に電話盗聴。これに対し、警察は革マル派活動家10人を指名手配。
9月
神戸連続児童殺傷事件の被疑少年の精神鑑定を行った医師が勤務していた神戸市北区の兵庫県立光風病院に不法侵入し、警察・検事調書の写し等の事件記録のファイル9冊を盗み出す。また、盗聴器を仕掛けるため、加害少年の両親宅にも忍び込む。
1998年1月
革マル派非公然アジト「豊玉アジト」が摘発され、偽造した警察手帳や公安調査官証票などが押収される。
4月9日
革マル派非公然アジト「浦安アジト」が摘発され、警察無線解読機器などが押収される。これにより、革マル派が警察無線の傍受を行っていた事が発覚する。
11月
革マル派非公然アジト「厚木アジト」が摘発され、鉄パイプ、鉄棒入り竹刀、サバイバルナイフ、鉈、まきびし等の凶器が押収される。
1999年1月
革マル派非公然アジト「荒川アジト」が摘発され、指名手配中の1人を含む非公然活動家4人が逮捕される。また、偽造ナンバープレート、鉄パイプ、まきびし、携帯電話電波妨害用機材などが押収される。
10月23日
早稲田大学法学部教授宅盗聴事件の電気通信事業法違反容疑で、革マル派非公然アジト「札幌豊平アジト」が摘発され、携帯電話、カセットテープ、文書類などが押収される。また、アジトにいた革マル派非公然活動家の荒井政則が、免状不実記載の疑いで逮捕される。
2001年4月7日
神奈川県横浜市青葉区新石川の國學院大學たまプラーザキャンパス構内で午後0時頃、同大学の学生自治会を事実上支配している革マル派の活動家ら数人が、サークルの勧誘をしていた同大学の男子学生を取り囲んで集団で暴行を加え、約10日間の軽傷を負わせたうえ、「なぶり殺しにしてやる」「家に火をつけてやる」などと脅迫。これに対し、神奈川県警察は被疑者を指名手配して捜索を行う。
6月
革マル派非公然アジト「玉川アジト」が摘発され、非公然活動家2人が逮捕される。翌月には同アジトの名義人だった小学校教諭が、犯人蔵匿罪で逮捕される。
11月
革マル派非公然アジト「名古屋西アジト」が摘発され、活動家1人が有印私文書偽造・同行使罪等で逮捕される。
2001年12月23日?2002年3月21日
國學院大學たまプラーザキャンパス構内で発生した集団暴行事件の被疑者として、革マル派活動家の早水潤二・北條純・福本満および岡田貴行が、傷害と脅迫の疑いで相次いで神奈川県警察に逮捕される。
2002年11月1日
革マル派活動家らがJR東日本の労組組合員に対し、組合を脱退し、退職することを強要した事件で、革マル派活動家を含むJR東日本の労組組合員等7人が強要罪で逮捕される。
12月26日
警視庁と北海道警が、革マル派非公然アジトの札幌市中央区のマンションなど北海道内11カ所を捜索。神戸連続児童殺傷事件の調書窃盗の疑いで指名手配されていた、革マル派非公然活動家の塩田明男ら3人の逃亡犯が、アジトに潜伏していたところを発見され、逮捕される。また、早稲田大学法学部教授宅盗聴事件の電気通信事業法違反容疑で指名手配されていた広田雅明も逮捕され、さらに現場にいた革マル派活動家・住井秀行が犯人蔵匿の現行犯で逮捕される。
2003年1月17日
革マル派非公然アジト「貫井アジト」が摘発され、フロッピーディスクなどが押収される。
3月16日
「革マル派結成40周年・『共産党宣言』155周年記念革共同政治集会」を開催。議長・植田琢磨が「わが党組織建設の新たな段階を切りひらけ!革マル派結成40周年記念集会に際して」と題する記念講演を行う。
4月24日
革マル派非公然アジト「弥生アジト」が摘発され、パソコン、フロッピーディスク、ビデオテープなどが押収される。
6月20日
革マル派非公然アジト「福岡城南アジト」が摘発され、パソコン、フロッピーディスク、携帯電話などが押収される。
7月6日
「弥生アジト」に在室していた活動家2人のうちの1人が、詐欺罪及び有印私文書偽造・同行使罪で逮捕される。
9月?12月
早稲田大学法学部教授宅に対する電話盗聴事件などで指名手配されていた革マル派非公然活動家6人が、東京都千代田区で逮捕される。
9月12日
「福岡城南アジト」の名義人だった小学校教諭が詐欺罪で逮捕される。
10月31日
革マル派非公然アジト「沖縄アジト」が摘発され、フロッピーディスク、携帯電話などが押収される。
2004年
スペイン列車爆破事件やイラク日本人人質事件などについて、ブッシュ米大統領による陰謀であると主張。
3月25日
革マル派非公然アジト「深川アジト」が摘発され、パソコン、携帯電話などが押収される。
3月29日
指名手配中の革マル派非公然活動家4人をかくまったとして犯人蔵匿の罪に問われていた、革マル派活動家の住井秀行に対し、札幌地方裁判所が懲役1年6か月・執行猶予4年の判決を言い渡す。
2005年
この年の7月7日に発生したロンドン同時爆破事件について、「ブッシュ帝国が米CIAおよびMI6・MI5をも組織して仕組んだ謀略」であると主張。
10月26日
大阪経済大学構内で、教職員に対する暴力事件を起こす。
11月30日
神戸連続児童殺傷事件の調書窃盗の被疑者として指名手配されていた、革マル派非公然活動家幹部・竹内政行が警視庁に出頭し、窃盗と建造物侵入の容疑で逮捕される。
2006年1月6日
革マル派の活動拠点となっていた大阪経済大学の自治会室や学生会室などを、大阪府警が家宅捜索。活動家8人を逮捕。
6月26日
元議長・黒田寛一が、埼玉県内の病院で死亡。
12月4日
神戸連続児童殺傷事件の調書窃盗の疑いで窃盗や建造物侵入などの罪に問われていた、革マル派非公然活動家の塩田明男ら6人の被告人に対し、東京地方裁判所が懲役5年?1年10か月の実刑判決を言い渡す。
2008年2月8日?22日
革マル派活動家の宇田耕一郎が2007年9月24日に偽名でホテルに宿泊していた疑いで、警視庁と神奈川県警は、有印私文書偽造・同行使などの容疑で、千葉県八千代市八千代台の団地の一室など、計4ヵ所の革マル派非公然アジトを家宅捜索。同派によって収集されていた警察関係者の人事異動記録や顔写真などを押収。同月18日には革マル派の拠点「解放社」の家宅捜索が行われ、22日に宇田を逮捕。
12月17日
居所と運転免許証記載の「住所」が相違する事を奇貨として、2006年10月24日に免状等不実記載で神奈川県警察公安第三課に逮捕された鎌倉市在住の活動家について、横浜地方裁判所は「情報収集を目的とした“為にする”逮捕であり違法不要であった」として国家賠償法に基づく賠償を神奈川県に命じる。